執筆：石田裕己  「OPEN STUDIO 24」(東京藝術大学 横浜校地 元町中華街校舎, 2024年7月26日 – 28日)は、東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻に所属する大学院生たちが、授業での制作物や修了作品の中間報告を展示する場です。そして《欧州・散歩・ケアをめぐる報告(旅で出会った人々と共に移動した話をする)》は、修士二年の松橋萌さんが中間報告として発表した作品です。  同作はダイアローグの形式を採る作品で、各開催日に２回ずつ上演されました。松橋さんは1時間のあいだ観客たちとテーブルを囲い、今年の春から夏にかけて行ってきた欧州旅行について話すのです(帰国したのは本

経験することと制作することのあいだで――松橋萌《欧州・散歩・ケアをめぐる報告(旅で出会った人々と共に移動した話をする)》について｜DAÉN だえん

散歩のレシピ　散歩会を開催します（TwitterやInstagramから告知・アーカイブを見れます）
https://bento.me/yureruki

ゆれる木（松橋萌）｜note

当日は、雨が降ったから、室内での茶話会になった。朝起きたら、着いているはずの時刻だった。やっぱり週５で働いている弊害か、前日にゆっくり休むように調整できない。できれば散歩会は日曜日にした方がいいかもしれない。はじめて朝起きられなかった…夜一睡もせずに本番、というパターンは今まで数度あったのだが。  三ノ輪までは一時間半程度かかる。  早く着いておこうと考えていたお陰で、10分程の遅刻でどうにかなった。まだ始まったばかりだった。病院を紹介してくれた豊吉さんが私に挨拶をした。私は入院患者さんのいるらしいテーブルへ座ってみた。このテーブルはゆっくりと始まった。共創の女性が、白地図にメモを取っ

同善会クリニックでの散歩の活動(5/31)｜ゆれる木（松橋萌）

電車が混んでいる。朝で、平日だから。朝9時に集合。小学生が、朝から起きてこれだけ社会の時間に合わせているという不思議さを感じる。  待ち合わせの部屋には半分くらい人が入っている。名前の読み方の確認をしている。私も紹介されて、改めて自己紹介などが始まる。こちらからの要望として、相棒の皆さん同士での自己紹介は丁寧にしてもらいたいと伝えていた。このことは散歩会において大切なことの一つだ。みんなで一つの舞台を作るように、心のリズムを合わせて歩く必要があるからだ。  10月の散歩会は夢中ラボ第一回目のドリーマーとしてフリースクールに通う皆さんとの散歩を上野公園〜(藝大の音校裏)〜藝第部屋のルート

散歩会(10/18)｜ゆれる木（松橋萌）

ついに、第一回目のケアセンターが始動。  今回は割と近所での待ち合わせとあって、朝起きられないとか、遅刻の心配が柔らかいことを心の中で、電車に乗りながら思っていた。  前日に塗ったネイルは海のように濁った色をしていた。クリーンな青と、濁った緑を混ぜると海の色。駅の椅子に座らないで、ちょっとしたガラス張りの窓のスペースに腰掛けた。小さい子がエレベーターで上がってきたところだった。変なところに座っているわたし。  駅に着くと、寒かったので日向を探した。20分くらい前には着いていた。ドトールの前に陽だまりと、座れるような段差を見つける。そこにはすでに座っている恋人同士か親子もいたので、私もそ

ケアセンター(3/1)｜ゆれる木（松橋萌）

この日は10時頃に優美堂で待ち合わせをする予定だった。寝坊しないように、前日に実家に戻り、父も散歩会に参加したいとのことだったので、一緒に電車に乗った。これまで、父親をSNSでブロックしていたのだが、行きたい、と言われた時に何となく似合う町のような気がして。絵を描くのも上手だから、企画に合っているような感じがしていた。  ののちゃんが中村さんと散歩している。少しファミリーマートで時間を潰し、ジュースを買った。朝、行くとガラスは前のイラストが描かれたままになっていた。それは意外だった。石川さんと私はそれを掃除した。中村さんが出勤する。父は自分の通った大学があった場所を見てくると言って散歩

散歩会（9/28）｜ゆれる木（松橋萌）

忘れちゃったこともあるけど、ゆるくアーカイブ。  folkの皆さんとの散歩会。まずは花町の名残から見ていく。少し脇道に入るだけで、黒塀や柳の小道がオフィスのすぐ側にあるのだ。芸者さんの姿を見つけながら、髪を結うための美容室の方へ。     さすがfolkの皆さん、気になるものを見つけた。散歩のモードみたいなものを感じる。ミント君を中心として、すぐに近寄っていく。少し危ない香り。    これも散歩モード   お酒の店   大胆な図像  この側に小さな神社。     folkの皆さんが気になった建物。  インターンの私とおーちゃんが行った店VERY WELL。その上のガラスや

散歩会(12/11)｜ゆれる木（松橋萌）

きっかけは、インターネットでクナーファが紹介されており、食べてみたくなって谷保に足を運んでみたことだった。クナーファとはとても甘いシロップのかかった中東の伝統的なお菓子だ。ケーキのような見た目で、甘さ…

谷保を味わう散歩会レポ｜誰かの散歩マガジン サンポー

欧州からの帰路、成田空港から横浜へのリムジンバスに乗った時の景色。誰もが旅に疲れて眠りについている静かなバス。成田の緑の景色から始まって、気づいたら私も一時間ほど眠った。目が覚めると景色が一変していて…

空港キャンプ―成田空港で一夜を明かす｜誰かの散歩マガジン サンポー

水やりをする時、人はよりミクロで細やかな視線をその場所に対して向けるのではないだろうか。鶴見の町の中で見えなくなっている沖縄や南米の文化や歴史といった記憶を、水やりをしながら辿るツアーを作ってみた。…

南米・沖縄タウン鶴見で水やりをする散歩会レポ｜誰かの散歩マガジン サンポー

2023年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。

2024年アートコレクティブorangcosongのアソシエイトメンバーとして欧州へ滞在。

2025年東京藝術大学院映像研究科メディア映像専攻修士課程修了。